おきゃん

日本の悲劇のおきゃんのレビュー・感想・評価

日本の悲劇(1953年製作の映画)
4.0
敗戦後の貧しい日本で、女手一つで2人の子どもを育て上げる母ちゃんの、切なく悲しい話。

貧しくても一緒にいるのが良かったのか。
なにが正解だったのかは分からない。

実家の支援も受けられない
養育費も払ってもらえない
国も助けちゃくれない

この状態で子どもを育てるのは、誰かが犠牲にならなきゃいけない。

手に職もなければ学もない母親はどうしたらよいか。
水商売で効率よく働くか
清掃業などで四六時中働き倒すか
生活水準をどこまで落とせるか

最初は罪悪感があるが成長するにつれ仕事を言い訳にコミュニケーションが不足し、
親としての信頼も失う。

いづれにせよ親が自分よりも立派に育てよう。って心意気は、やり過ぎると子どもにとっちゃ迷惑なもんだ。
自分から生まれる子どもなんて、どうせ大したことないんだから。だからって「誰も知らない」みたいになっても最悪だけど。

親が子どもに期待して何かさせようとするのは良くない。学生運動の時からもう決まってること。ろくな事にならない。
よほどの秀才でなきゃ、金注がないと頭よくならないし、無理にした所で大人になって使い物にならないんだから、いい加減気づいて欲しい。
注いだら注いだで、注いでやったのにが始まるのがお決まりや。

身分不相応な事をして恥をかくのは子ども。無理して私立に通わせたって、友達は皆んなお金持ちで、夏休みどこ行ったの話も出来なきゃ、私服で遊ぶのも恥ずかしいし、入る店も変わってくる。劣等感に押し潰されて精神崩壊するのが見える。
お姉ちゃんも何糞根性のせいで不倫に走ろうとして愛が何なのかわからなくなってしまってた。

生きて行く上で教育はもちろん絶対的に大事だけど、どんな状況でも揺るがない愛をしっかり伝えてからでないと親の思いは伝わらないわね。

日本でも子どもだけで留守にさせるのを犯罪にして、国でどうにか居場所作ってやれないもんかね。
私は大家族だったから寂しいって思うことなかったけど、寂しがってる子どもが世に沢山いると思うと本当に胸が痛む。
おきゃん

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