爆裂BOX

ストライク・バックの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ストライク・バック(2007年製作の映画)
3.7
オーストラリアに旅行に来たビアとロブの夫婦はボート遊び中遭難し、森に囲まれた湿地帯に辿り着く。二人は誰もいない一軒家を見つけ上がりこむが…というストーリー。
「ルール」のジェイミー・ブランクス監督によるサバイバル・スリラーです。「悪魔のいけにえ」の様な田舎ホラーと虐げられた女性に世反撃を描いたリベンジ・スリラーを合わせた様な感じですね。
前半は主人公夫婦がボート遊び中遭難し、農家と思われる無人の一軒家に助けを求めて上がり込み、そこに暮らすキ〇ガイ三人家族(父親と男兄弟二人)が帰ってきて甚振られる様が描かれます。ダッチワイフが転がる汚らしい部屋などはいい感じですね。兄弟による主人公夫婦への陰湿な嫌がらせが描かれますが、そこまできわどいエロ描写やグロ描写はないですね。でも、油断してるとカンガルーの赤ちゃんが首切断されたりするので注意。兄弟二人汚らしくて野蛮な感じですけど、そんな二人も父親の事は非常に恐れてるのが何かリアルですね。父親も見た目汚らしいオッサンという感じですけど、兄弟怒鳴りつけて殴りつけはしても、やってる事ややろうとしてる事に対して怒ってるわけではないのが倫理観とかぶっ壊れててこっちの常識通用しない感出てていいですね。
後半、旦那が足折られて納屋に閉じ込められてこのままでは犯されて殺される、という状況に追い込まれてビアが覚醒してからの展開はグロ描写が結構盛り込まれて楽しかったですね。納屋にあるものを使って「ワナオトコ」ばりの罠を仕掛けるビアは、前半で釣り上げた魚を殺す夫に「残酷だ」と言ってた人と同じとは思えない変わりようです。父親の格言言ってましたけど父親の影響なのかな?ビンを使った対レイプ用の罠あそこに仕込んでる時に夫が「ジーザス…」って言って「じゃあ、あんたが何とかしてくれるの!」と切れる所は面白かったですね。夫のロブは足折られる前からてんで役に立たず、後半も「殺せ!」「殴れ!」と煽るだけしかできてませんでしたね。
次男が罠にかかって吊り上げられる所は「ヘルレイザー」彷彿しました。その後の頭何度もレンチで殴りつける所も結構エグイ。ビアをレイプしようとした父親に罠が炸裂する所は男なら「ヒェェ…」と縮み上がりますね。洗面所で血塗れになりながら何とか抜こうとする所も痛々しい。血に飢えた飼い犬に股間食われる所は笑っちゃいました。
主人公達を追い掛けようと長男が扇風機みたいな巨大エンジン付きボート持ち出したところで末路は分かりましたね。いいミンチっぷりでした。
戦うフランス人妻ビアを演じたナディア・ファレスは「クリムゾン・リバー」や「スズメバチ」の特殊部隊の女隊長役の人ですね。こういう役柄似合ってました。
加害者側がかなり悲惨な目にあう話でしたね。最初の「勝手に家に上がり込んで~」という言い分はもっともではありましたけど、父親や兄弟の話の感じだと殺人やレイプ繰り返してたみたいだし死んで当然の奴らではありますね。
サバイバル・スリラーやリベンジ・スリラーとしてはかなりの良作だと思います。