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ストライク・バックのsayaのレビュー・感想・評価

ストライク・バック(2007年製作の映画)
3.5
ボート旅行中に嵐で遭難してしまった若夫婦が、湿地帯を彷徨って辿り着いた一軒家に助けを求めるのですが、住人の親子を怒らせてしまったせいで奴隷として監禁されてしまう話です。
寂れた田舎で異常な一家に監禁される展開から居心地の悪い食卓の空気感まで『悪魔のいけにえ』直系ホラーではあるのですが、その狂人たちをも上回るヒロインの残虐性が開花していく有様は圧巻でした。
芸術家でもあるヒロインが、監禁先の納屋にある道具を駆使して次々と生み出す殺戮トラップはまさにアートです。
彼女こそ女版ジグソウ、もしくは女版ワナオトコと呼ぶに相応しい逸材ですよ。
普通に殺すのではなく最大限の苦痛と恐怖を味わわせる悪魔的発想の餌食になる狂人たちにむしろ同情してしまいました。
一切手加減のない怒涛の反撃とゴア描写には大満足ですが、唯一の難点が主人公夫婦には全く魅力が無いことです。
死んでも自業自得なくらい夫婦の印象が最悪なせいで、殺されないことに違和感を覚えてしまいました。
弁護士の夫は横柄で偉そうな態度が鼻につきますし、芸術家のヒロインは意識高い系の面倒くさい発言ばかりが目立ちます。
仮にも現職の弁護士が住人不在の家に無断で侵入するのはアウトでしょう。
しかも泥だらけの汚い恰好で家の中を勝手に物色して、蛇口の水は流しっぱなし、裏小屋の電気はつけっぱなしにするのは傍若無人すぎませんか。
勝ち目のない裁判を引き受けない夫のスタンスを批判しておきながら、暴行されている男性を目撃しても助けようとすらしないヒロインも口先だけの綺麗事女です。
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