horahuki

SF異星獣ガーのhorahukiのレビュー・感想・評価

SF異星獣ガー(1985年製作の映画)
3.3
汝の敵を愛し、憎む者達には慈悲を…

火星から持ち帰った石はエイリアンだった!浮気性な宇宙船AIバーニーズたんの彼氏の座を巡って、イカの塩辛みたいな触手エイリアンとバトルを繰り広げるSFホラー。

先月レンタル開始したランコーポレーションから出てる宇宙人もの。商品説明にも書いてるとおり『エイリアン』と『E.T.』のフォロワー。というかその2つを無理矢理くっつけちゃいました的なお話になってて笑いました!

誰にも助けを求められない宇宙船という閉鎖空間で、どこかに潜む異物「ガー」に乗組員が一人ずつ消されていくという、完全に『エイリアン』をパクった展開。レーダーのようなアイテムによってガーの接近を知らせる演出なんてのも『エイリアン』丸パクリ。しかもプレステの懐かしゲームソフト『モンスターファーム』の探検やってる時みたいな「●」の動きで知らせてくれるレーダーのレトロ感がたまんないです。ちなみに舞台は2032年。

触手でぐるぐる巻きにして人間の生気を吸い取ってミイラ化していくガーさんは、やってることの割にはシャイな性格なので、お姿をなかなか見せてくれないのが残念なところ。しかも生気吸い取ってる最中にスプラッター映画ばりに血をドバドバ撒き散らすという、食事マナーを全く気にしないお行儀の悪さ。

生まれたばかりの赤ちゃんだから仕方ないのかもだけど、何でもかんでも「仕方ないやん!」で許されようとするガーさんの姿勢からはとてもとても「殺し」を知らない崇高な生物感は伝わってこなくて、子どもの言い訳にしか思えないのが笑えるし、良く考えたら普通に子どもの言い訳だからマジで仕方ないやっていう結論に落ち着いちゃうのも最高に気が抜けてて好き。

一応反戦映画的なことをテーマとして製作された作品なのだろうと思いますが、良い感じのチープさとポンコツ具合がナイスな作品でした。
horahuki

horahuki