ねこ無双

プリンセス・アンド・ウォリアーのねこ無双のレビュー・感想・評価

4.0
追記しました!

不思議な縁に導かれたラブストーリー。
中世の物語みたいなタイトルだけど舞台は現代。

精神病院の看護婦として働く女シシー。
外出中の事故に巻き込まれるが、その事故を引き起こした原因の男ボドに助けられる。
それ以来彼のことが忘れられない彼女は彼の行方を探し始める。
ここら辺の描写がフランカ・ポテンテの美しさで緩和されてはいるけど、ストーカーっぽくもある。

男を苦しみから解放してあげようとするボドの兄や、シシーを慕いすぎる患者たち、銀行強盗事件なと複雑に絡み合い、ちょっと予測のつかない展開へ。
ある意味、ガソリンスタンドの便所にずっと閉じ込められている男を解放してあげる話ともいえる?

終盤、黄色と緑で彩られた広大な畑を黄色のバスが走ってゆく。そして走る赤い車。
同じようで違う二人の男。
その光景に安らぎを感じて。

トム・ティクヴァ監督は自身の作品の音楽にも携わる方らしく、今作はアレンジ、演奏、プロデュースとクレジットされてます。
全編流れる穏やかなピアノの旋律がとっても心地いい調べ。