バス釣り太郎

プレイタイムのバス釣り太郎のレビュー・感想・評価

プレイタイム(1967年製作の映画)
4.4
タチがウェス・アンダーソンや小津に匹敵するレベルのとち狂った完璧主義者だということがよく分かった。でもこんなに可愛い、すごいセットが一生に一度でも作れたら、破産しようが何だろうが儲けもんだと思う。グロテスクな文明批判やいかにも!なディストピアにしない余裕を持ってる、それでいてコメディの質感は一向に変わらないんだからカッコイイ。

均質化している空間に翻弄されて、終始おどけながらもそれに静かに抗っているユロおじがバーバラにスカーフを届けられたのは、旧時代文化の勝利という感じがして熱くなる。
あとは後半のナイトパーティからのブースト感。すぐさまロジエ『トルテュ島の遭難者たち』での、あの心地良いイライラを思い出した。

これレストアされてるのかな、映像が綺麗すぎてビックリした。ガラスの扉にぴたりと反射するエッフェル塔