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リュミエールと仲間たちのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

リュミエールと仲間たち(1995年製作の映画)
3.0
[ピンティリエが一番良い] 60点

40人の国際的な監督たちが、リュミエール兄弟が発明したオリジナルのシネマトグラフを使い、1895年当時と同様の条件で短編映画を製作する企画。ルールは以下の三つ。①上映時間は52秒以内②音声の同期は禁止③テイク数は3回まで。その映像だけストイックに繋げる映画だと一瞬で終わってしまうので、企画や映画に対する想いや撮影風景なども一緒にまとめることで、90分の映画にしている。名前は全員知ってるが、顔を見るのは初めてという監督もチラホラ。冒頭でシネマトグラフを見てはしゃいでるのが可愛い。以下、参加した監督をアルファベット順で。

ガブリエル・アクセル
テオ・アンゲロプロス
ビセンテ・アランダ
メルザック・アルアシュ
ジョン・ブアマン
ビガス・ルナ
ユーセフ・シャヒーン
アラン・コルノー
コスタ=ガヴラス
レイモン・ドゥパルドン
フランソワ・ジラール
ピーター・グリーナウェイ
ミヒャエル・ハネケ
ラッセ・ハルストレム
ヒュー・ハドソン
イドリッサ・ウエドラオゴ
ジェームズ・アイヴォリー
イスマイル・マーチャント
ガストン・コベレ
アッバス・キアロスタミ
セドリック・クラピッシュ
アンドレイ・コンチャロフスキー
デヴィッド・リンチ
パトリス・ルコント
クロード・ルルーシュ
クロード・ミレール
ルチアン・ピンティリエ
アーサー・ペン
ジャック・リヴェット
ジェリー・シャッツバーグ
スパイク・リー
ヘルマ・サンダース=ブラームス
フェルナンド・トルエバ
ナディーヌ・トランティニャン
リヴ・ウルマン
ジャコ・ヴァン・ドルマル
レジス・ヴァルニエ
ヴィム・ヴェンダース
チャン・イーモウ
吉田喜重

以下、適当に思ったことを箇条書き
・ゴツい三脚の上にボロいシネマトグラフ乗せる絵面が興味深い。木の三脚に乗せてる人もいれば、カメラだけシネマトグラフにして、三脚とかレールとかクレーンとか使いまくる人もいた。
・1995年にベテランを連れてくるという企画だけあって、男女比が悪い。
・たまに監督名が出てこない作品があるので途中からメモするのが面倒になった。
・ジャック・リヴェットってこんなヘラヘラしたおっさんだったんだ。"いつもと逆で短すぎる!"とのこと。
・ヴィム・ヴェンダース本人のポートレイトがいちいち格好良い。短編は『ベルリン天使の詩』の続編みたいな作品。
・ジャコ・ヴァン・ドルマルは『八日目』の続き?
・リヴ・ウルマンは撮影するスヴェン・ニクヴィストを撮影してて良かった。自分に見えてた風景的な?他にも撮影風景撮る人が多かったけど、これが一番好き。
・お目当てのピンティリエはサッカー場の戦闘ヘリにドレスを着た花嫁や人々が駆け寄って、置いていかれるというもの。なんか、アンゲロプロスみたい。映画を撮るのは生き延びるためという言葉の重み。これが一番良かった。→『Too Late』のワンシーンだった。
・ガストン・コベレの短編がジョナサン・ノシター『Last Words』ぽくて嫌な記憶が蘇ってきた。
・後半になるほど微妙な作品が増えるが、最終盤にあるデヴィッド・リンチはルールをガン無視でカット割りまくって自分の世界観ゴリ推してて笑った。
・大トリのテオ・アンゲロプロスは『オデュッセイア』からの引用で、ここでフランコ・ピアヴォリと繋がった感じがした(フランコ・ピアヴォリ『Nostos』参照のこと)。
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