みとも

ボディ・スナッチャー/恐怖の街のみとものレビュー・感想・評価

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 サヤ人間の感情の喪失、元の人間がすり替わる疑心暗鬼が何のアナロジーなのかは、製作された時代背景を考えれば何となく分かる気もする。が、その作品のアナロジーやメタファーを深読みしすぎて本質を見誤るのも、表現/文化が社会/政治と完全に隔絶されていると思い込み登場人物や作品内の設定のみを消費する(そういう人に限って「映画なんだから文句言わず純粋に楽しめばいいのに」と何故か急に冷淡になったりする。確かに娯楽なんてそれで十分なのかもしれないけど、それで割り切れない場合があるからね)のも避けるにはどうすればいいんでしょうね。ジャンル映画がジャンル映画的手法で現実の何かを象徴/反映するのは、表現が現実社会と無関係ではないという証拠にはなるかもしれないけど、単なる現実の追認を越え得るのか。また反対に「現実が虚構を模倣」なんてことは実際には起きていないと思うし、そう言うのは現実と虚構の区別がついていない人だと思う。
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