おきゃん

グリズリーマンのおきゃんのレビュー・感想・評価

グリズリーマン(2005年製作の映画)
4.0
すごい人間がいた。

熊を愛しすぎたあまり、保護地区に勝手に住み着いて、1人熊の映像を取り続ける環境活動家のドキュメンタリー。

と、思いきや。笑笑

熊を一体何から守っているのか。
本当に熊は助けを必要としていたか。
彼の目的は一体何だったのか。。

この作品の凄い所は、彼を色んな角度から分析して、ナレーションで冷静に突っ込むというシュールさ。

私も彼と近い所があった。いや、動物が好きな子供なら誰もが持っている感情だと思う。
"動物と友達になりたい"

そのディズニーのようなファンタジーだけで、自分がこれから熊に食べられて死ぬとも知らずに、
自信過剰でエゴイストな発言の連発。

生態系を完全に無視した行動と被害妄想。自分は正義だと信じている無知な子供。

でも彼の凄い所は、本当の所が分からない所。死ぬと分かっていたのか、死んでも良いと思ってたのか、子どもの考えは分からない。

中流の両親がいる家庭で立派に育ち、大学デビューで悪い友達に影響され中退。
俳優目指してキャルホーニア、ドラッグと酒に溺れて女に世話してもらい
最終的に熊が好きだからと言って専門家の話や周りの止める声を無視してやりたい放題。
熊の生態系を調べると言っても専門的知識は皆無。
最終的に色んな人に世話になって遺体回収してもらって。。

この映画は熊よりも人間観察に優れた映像とも言えそう。


子どもの様な無垢な心で環境系に走ると、足元救われるよね。

だから動物は凄く好きだけど、駅で運動してる人たち見かけると疑ってしまう。都会ではどの活動が正しいのか、判断に迷って避けてしまう。裏にどんな企みがあるかわからない。

彼の場合は、自分が有名になりたかった。ただそれだけ。
YouTuberの先駆けみたいなもんかな。
凄い人なのは確かだ。

本当に環境を良くしたいなら人間の数を減らすのが1番早いんだけどね、手を加えるのは専門的知識が絶対必要。
誰かが間違った環境活動家になりそうになったら観せる。笑
おきゃん

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