さすらい農場

吸血鬼ノスフェラトゥのさすらい農場のレビュー・感想・評価

吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)
4.0
1443年 不死身の者(ノスフェラトゥ)
この世に誕生す
その名が轟く事 猛禽の叫びのごとし
無闇に口にするなかれ
〈劇中[吸血鬼の書]より〉

2022年で100周年を迎える史上初の吸血鬼映画
もちろんサイレント
ブラム・ストーカー原作[ドラキュラ]初の映画化ながらも無許可だった為、タイトルに[ドラキュラ]は使用不可(でも今となってはこっちの方が渋い)
著作権が消滅し、1960年代に発掘されるまでの約40年間封印されていた伝説の映画

スキンヘッドに細身の長身、長い手指にギョロ目が爛々、針のように尖った2本の前歯…と超絶に不気味
後に定着するダンディなドラキュラのイメージは皆無

ノスフェラトゥは黒死病(ペスト)の象徴
死の伝染病とともに現れる
感染が広がり死者続出、封鎖される街の様子が生々しい

ビジュアルだけでなく黒死病の凶々しさも加わって、現代の目でも相当怖い
ついでに古いプリントの粗さや傷も含めて、もう何もかも不吉に見えてきます
まさに恐怖の芸術、怪奇の殿堂
良かったら🤲