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吸血鬼ノスフェラトゥの映画のレビュー・感想・評価

吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)
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1838年、ブレーメン。トランシルヴァニアの貴族、ドラキュラ伯爵はブレーメンに家を探している。不動産屋に勤務する青年、ジョナサンは山奥にある彼の家を訪問するが、伯爵の正体は……。

一番の見所は、マックス・シュレックが演じるドラキュラ伯爵。当時は、サイレントという制約があったからこそ、視覚表現に全力を注いでいた。吸血鬼ノスフェラトゥの特殊メイク、異様な挙動、演技体が現代映画とは別物である。この点は、他の役者にも当てはまる。グスタフ・フォン・ヴァンゲンハイムとグレタ・シュレーダーの新婚夫婦の愛情表現は、大げさに見えるかもしれないが、実は、これくらいやらなければ観客には伝わらない。

しかし、不明な点が多い。ヴァン・ヘルシング教授の役割、なぜ、ノスフェラトゥは不動産屋レンフィールドを操ったのか。夢遊病にかかったニーナが夫ジョナサンに遠隔地から警告を発したが、意味があるだろうか、など。

ちなみに、ノスフェラトゥが潜入した船荷の蓋を、ノスフェラトゥはどのようにして自分で閉めることができたのか。もちろん、魔力のおかげですよね。

ドイツ表現主義の代表的な作品。

【メモ】
狼と馬。観客の不安を煽るための象徴的な表現。
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