けーはち

大女侠のけーはちのレビュー・感想・評価

大女侠(1968年製作の映画)
3.0
当代随一の剣士“銀鵬”(ジミー・ウォング)が昔の姉弟子である女侠“金燕子”(チェン・ペイペイ)に会うため彼女を騙って悪党を殺しまくる。『大女侠(原題:金燕子)』といっても実質主役が銀鵬なのは、『片腕必殺剣』で人気沸騰したジミー・ウォングを急遽中心に据えたせい。彼とのロマンス要素を放り込もうとして全く感情移入できぬ狂人大暴れのため恨みを買った金燕子や仲間が巻き込まれるハタ迷惑な話となっている。最終的に彼は三角関係の果てに臓腑を抉られる重傷を受けたまま多数の敵を破る大活躍をして力尽きる悲劇のヒーロー的な描かれ方をするのだが、腕が立つ分だけ被害甚大な害悪暴走自滅サイコパス男だよ‼……と、まあツッコミをいれながら観れれば楽しい大味な珍作(でも明らかにロマンス要素は邪魔なんだな〜)。動きはまだワイヤー少量、主にトランポリンのふわふわアクションだが手ブレカメラや上からの画角のカメラワークは未だ色褪せず、またカラフルな敵の衣装揃えなどが美しい剣劇に仕上がっている。