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「廓」より 無法一代のYAZのレビュー・感想・評価

「廓」より 無法一代(1957年製作の映画)
3.9
娼妓の芦川いづみ観る

明治末期
京都伏見に流れ着いた夫婦
金の亡者のような亭主が手持ち金
総て注ぎ込み一から遊郭始める話
当時の廓界の様子が伺え面白い

遊郭をビジネスとしての面からも
見ていて知らない事在りふ〜んと
いう感じです
組合のような組織が在り登録しないと
商売始められず、娼妓を買う問屋みたい
な所まで在る。自分で貧農から連れて
来る女性も居ますが、問屋から買う女性
は上玉だからなと亭主は言っております

経営始めたら組合の集会みたいのに参加
しキリスト教系の反対団体の扱いどうす
るかとか相談したり、その他勝手な行動は
許されません

三橋達也演じる男はとにかく金で、娼妓も
女性でなく金だと言い切り店の子に手を
出したりは絶対にしないし、組合の危機
も犠牲になり廓界を守ろうとしてる
商売人としては一流です。
もちろん廓の狭い世界での話ですけど

そんな亭主を支える新珠三千代演じる妻
がなかなか良いです
女性としてと経営者の妻としての矛盾を
抱えてるようでも在りながら泣き言は口
にしない。キリっとした表情良いです

いづみ様 亭主曰く上玉の娼妓で男も知ら
ずに借金の代わりに買われて来る。
常連客に裏切られる薄幸の女性で、登場
シーン僅かですが純情無垢ないづみ様の
印象残しております

遊郭舞台と言っても濡れ場一つも無く
四苦八苦しながら頑張る夫婦の物語
「遊郭は赤線と変わるがその後も形を
変えて残るだろうと」存在に否定的で
ズバリな予言で幕閉じます
YAZ

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