茜

悪魔の少女ジュリーの茜のレビュー・感想・評価

悪魔の少女ジュリー(1982年製作の映画)
3.4
父親を溺愛する少女の異常愛。

邦題には「悪魔の少女」って付いてるけど、言うほど悪魔か?っていうのが率直な感想。
だって周囲の大人も大概歪んでるんだもん…子供が歪んだっておかしくないよね。
娘が可愛がってるペット(蛇)を勝手に捨てるヒステリックな母親。
優しい顔してちゃっかり愛人持ち&即再婚しちゃう父親。
女と見ればムラムラしちゃう若いレイプ魔。
ロクな大人がほとんど出てこないもんだから、ジュリーのサイコパス度より大人のカス具合の方が印象に残っちゃったよ私は。
例え蛇であろうと何であろうと、人が大切にしてるもんを勝手に捨てる人間にロクな奴はいない…ジュリーのオカン個人的にめっちゃ嫌いなタイプだったなー。

と言いつつ、ジュリーもやっぱり恐ろしい少女ではある。私はめっちゃ好きやけど。
何かと銃を持ちだしてくるとことか厳つすぎて笑ったし、割れた瓶で股間をグサり!とか、少女のくせにやる事エグ過ぎて面白い。
自分にとって邪魔な人間をあの手この手で消し去ろうとする知的で賢い感じも好き。
あと何と言っても大人を小バカにしたような生意気な視線がとても良い。
ジュリー役の女優さん、利口で小生意気な少女の演技めっちゃ上手だったなぁ。
見た目が少女っぽくないのは内容が内容だし裸の演技もあるからまぁ仕方ないよね。

視覚的には地味だしダラダラしてる部分もあるんだけど、予想だにしていなかったラストも含め、規模の大きいハリウッドなんかだと作れない映画ではあると思う。
こういった際どい演出や表現が楽しめるのもB級映画の良いところ。
茜