猫脳髄

残酷な記念日の猫脳髄のレビュー・感想・評価

残酷な記念日(1968年製作の映画)
3.4
ジミー・サングスター脚本のハマー・フィルム謹製ブラック・コメディ。建築業を営む一家の女主人であるベティ・デイヴィス(隻眼のアイパッチ姿が実にキャラ立ちしている)の「結婚記念日」に集った3人の息子とその妻、恋人たちが味わう地獄の一夜を英国流の意地悪さで映し出す。

いずれも問題を抱え、母親に頭が上がらない息子たちが、妻や恋人に尻を叩かれて何とかデイヴィスに反抗しようとするが、一流の手練手管で次つぎとやり込められてしまう。それぞれの事情を察するデイヴィスが彼らをイビリ散らすが、裏では母親らしい機転と独特の愛情表現で気にかけており、そこが後味のよさにつながっている。

男たちはいつでも母親、そして女たちに頭があがらないという古典的なテーマではあるが、デイヴィスの稀有な演技とサングスターのピリッとした脚本で軽妙に仕上げた佳作。
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