イッテルビウム中田

シュレックのイッテルビウム中田のレビュー・感想・評価

シュレック(2001年製作の映画)
5.0
見た目は怖いけれど中身は優しい怪物シュレック。度重なる迫害と自身の生活環境を守るため冒険に出る。
『美女と野獣』へのアンチテーゼとして作られた『シュレック』シリーズ。

低身長にコンプレックスを抱えるファークアードと醜い容姿をありのままに曝け出すシュレック。
今でこそルッキズムの概念が世間に浸透しているが、コンプレックスをそのまま晒すことやそれを自身が受け入れるのは容易なことではない。

他者との交流を避けたシュレックが心を開いたドンキーはまさに〝ありのまま〟の自分を受け入れた友人であり、
運命の人を待ち望んできたフィオナにとっても〝ありのまま〟の自分を愛すると誓ったシュレックは運命の人である。

ここ数年のディズニーは〝夢見るキス待ちプリンセス〟を脱却し〝自立して相手の中身を見る女性〟へとプリンセス像を確立しつつあるが、
当時のディズニーのアニメ作品に対して「フィルターを外したらこうだぞ!」と言わんばかりのブラックユーモアやパロディは痛快であった。