爆裂BOX

デス・ヴィレッジの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

デス・ヴィレッジ(2001年製作の映画)
3.7
患者死亡事故の責任を問われ、医師免許を停止されたアリス。途方に暮れていた彼女だったが、ある患者の主治医として採用され、患者の住むジャマイカで暮らすことになる…というストーリー。
ホラーテレビシリーズ「テイルズ・フロム・ザ・クリプト」の「デーモン・ナイト」「ボーデロ・オブ・ブラッド/血まみれの売春宿」に続く劇場版第三弾として製作されたサスペンスホラー。脚本や製作総指揮でリチャード・ドナーやジョエル・シルバー、ウォルター・ヒル、ロブ・コーエンが参加しています。
現地で大富豪ポールの弟ウェズリーの治療を任されるアリス。しかし彼は「自分は病気ではなく、ブードゥーの呪いでゾンビにされつつある」と告げる。常識はずれな内容に戸惑うアリスだったが、現地には「オビア」と呼ばれるブードゥー教が根付き、呪術が信じられている土地で、アリス自身も不可解な幻覚に悩まされ始める、という内容です。
まず、本作ですが、ブードゥーを題材にしているので人肉を喰うロメロゾンビは出てきません。というかジャケットの様なゾンビは出てこないのでゾンビ映画ではないですね。どちらかというと、呪術でゾンビにされる恐怖を描いていると言えるかな。
冒頭からRKOのロゴマークが出て来てちょっとビックリしましたが、これtって「私はゾンビと歩いた!」のリメイクだったんですね。オリジナルはセンチメンタルな内容と幻想的で美しく不気味な映像が文芸作品の様な雰囲気を出していましたが、こちらはゾンビにされそうになっている患者を救おうとするアリスに迫る魔の手や、関係者が謎の殺人者に次々殺されていくサスペンスになっています。オリジナルではゾンビにされていたのはポールの妻ジェシカでしたが、こちらでは弟ウェズリーに変更されています。
オリジナルの大筋なぞりながら全く違う話になっていますが、ブードゥーの呪術の儀式の怪しげな雰囲気や、部屋の温度が高温になって体が焼け爛れてドロドロ溶けたり、木の枝が触手の様に車に絡みつく呪術で見せられる幻覚シーンは面白かったですね。グロ描写と言えるのは体溶けるシーンくらいだったけど。姿なき殺人者に関係者が殺されていく展開はちょっとジャーロっぽいですし、関係者も怪しい人間ばかりなのもサスペンスとしては悪くなかったんじゃないでしょうか。ポール役がクレイグ・シェーファーなので最初から胡散臭さしか感じない(笑)
主演のジェニファー・グレイは常にピチピチノーブラTシャツ姿で、最後の方でもスケスケドレスだったりサービスショットは多めでしたね。彼女に協力してくれる地元の美女カロも家では裸族という設定(セミヌードしか披露しませんが)警察署でのスカートまくって見せるムチムチの太腿はあのデブ署長じゃなくても鼻息荒くなるわなと思っちゃいました(笑)
ティム・カリーが陽気でスケベなオッサン役で出演しています。
最後に明らかになる黒幕は案の定怪しいと思ってた奴でしたね。というかジャケ裏でネタバレされてるという。何考えてこんなデザインにしたんだ。動機も遺産相続トラブルのありがちでしょうもないものでしたね。
ラストもアッサリしてたけど、最後の皮肉でキモいオチは中々良かったかな。あの署長人殺してんのに御咎めなしでちゃっかり一番欲しいもの手に入れてるし一番得してるんじゃないか。
このジャケでゾンビ映画期待して見た人は画家k利すると思いますが、サスペンスとしてはよくできてて楽しめました。でも、「テイルズ・フロム・ザ・クリプト」の劇場版としては前二作と比べるとこじんまりした印象は受けるかな。クリプト・キーパーも出てこないし、いつものオープニングもないし。