Jeffrey

ジプシーのJeffreyのレビュー・感想・評価

ジプシー(1993年製作の映画)
3.0
「ジプシー」

〜最初に一言、「天使にラブソングを」のアルドリーノ監督のVHSに残された隠れた傑作である〜

本作は私が最も好きな世界映画の1つである「天使にラブソングを」の故エミール・アルドリーノ 監督のVHSのまま埃をかぶってあまり知られていない傑作ダンスコメディで、この度VHSが安く売っていたので購入して初鑑賞したのだが、最高すぎてやばい。歌って踊れるステージママを演じたベット・ミドラーと純情可憐なストリッパーのシンシア・ギブの抱腹絶倒アメリカ巡業の旅を描いた作品である。62年にマーヴィン・ルロイ監督も「ジプシー」として映画化したブロードウェイのヒット・ミュージカルの90年代版でもあり、これがいまだにDVD化などされていないのに驚かざるを得ない。とんでもなく派手で素敵な作品である。なんといったっても超大作と言えるレベルで、142分も尺のある作品である。

今回のVHSの発売本がイメージ・ファクトリー・アイエムと言うところで、販売元が株式会社アクロスなのでなかなか権利問題難しいのかもしれないが、このダンスコメディをぜひとも多くの人に見て欲しいと思わされた。まさにショウほど素敵なものはないと感じる1本である。さて、物語はショウビジネスの世界で2人の娘とコーラスラインの男の子たちを連れて、全米を渡り歩く母親がいた。それがアメリカー強引で、親バカの典型とも言えるステージママ、ローズだ。子供たちを学校にも通わせず旅を続ける姿から、人は彼女をジプシー・ローズと呼んだ。彼女の夢は、自分の娘をトップスターに育てあげること。期待の星は、妹のジューン。ところがこともあろうにジューンは団員の1人と駆け落ちして、ローズの元を飛び出して行った。

残るは、うぶでグズな姉ルイーズただ1人。そのルイーズが、ひょんな事からストリップ小屋の舞台に立つ羽目になるのだが、これが大成功収めてしまい…と簡単に説明するとこんな感じで、ブロードウェイの大ヒット作品を豪華スタッフ&キャストで映画化したー級のエンターテイメントである。本作はゴールデングローブ賞の作品部門にノミネートされたり、最優秀主演女優賞や助演女優賞にも、それからナショナルボードオブレビューの最優秀作品賞を受賞して、同じく最優秀主演女優賞まで受賞した作品である。この作品は「天使にラブソングを2」に出ているマイケル・ジェッターが出演しているのもファンにとっては嬉しい。因みに続編はアルドリーノ監督ではなく、当時では珍しく白人監督の作品の続編ものを非白人が受け継ぐと言うのは稀で、監督をしたのは「プレデター」等にも出演している黒人俳優のビル・デュークである。
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