爆裂BOX

ホスピスの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ホスピス(2008年製作の映画)
3.3
医学生の悪ふざけでケニスという青年が昏睡状態になってしまう。責任を感じた医学生のキャサリンは彼を助けるために実験中の新薬を投与するが、それ以来、殺人事件が起きるようになり…というストーリー。
悪ふざけで一人の男を昏睡状態に陥らせた医学生たちが姿の見えない殺人鬼に狙われるサスペンスホラー。
ドラッグを持ち込んだパーティーを開いている所をケニスに見られて写真を撮られて脅された医学生達は、ケニスに酒とドラッグを摂取させるも倒れてしまい、発覚を恐れた彼らはケニスを路上に放置。深い昏睡状態に陥った彼に責任を感じたキャサリンは目を覚まさせるために開発中の新薬を投与するも、それにより体外離脱したケニスは他人に憑依し、原因を作ったメンバーを次々と殺していくという内容です。如何にも「ホステル」の類似作と思わせるような紛らわしいタイトルとパッケージに説明にもそれっぽいこと書いてますが、話の内容的には「ホスピス」ともあまり関係ないです。
主人公達にこの事態の原因があるので感情移入し辛くなってます。医学生なのに人を昏睡状態に陥らせてもドラッグ使ったことがバレないからラッキーぐらいに思ってますし。特にドラッグ持ち込んだショーンは自分の事だけしか考えてない。主人公であるキャサリンは責任と罪の意識感じるも結局黙ってますし、目を覚まさせる為とはいえ承認下りてない新薬勝手に打ったりしてこの事態引き起こしますし。
かといって昏睡状態になり体外離脱して他人に憑依して復讐始めるケニスも、その前から女の死体見ながら自分の身体切りつける変態行為したり、更衣室にカメラ仕掛けて携帯で盗撮した映像見たりとそりゃ「変態野郎!」と言われるわという感じのサイコなのでこっちも応援し辛い。演じるアンドリュー・リー・ポッツはどもりながらしゃべったり、「プライミーバル」の陽なオタク青年と正反対のキモくて陰な感じのサイコ青年がハマってました。昏睡状態になってからはベッドで寝てて痙攣してるだけになりますが。
他人に憑依して行われる殺人は、車のドアで頭ガンガン叩いたり、綾辻行人の「殺人鬼Ⅱ」みたいにじょうご口に差し込んで塩酸流し込んだり喉に刃物突き刺したりとバリエーション持たせようとしてますが、グロ度はそんなに高くないしあまり印象に残るものもないかな。殺人鬼も殺人するたびに違う人になるから個性も感じられないし。そうなる前の方が個性ありましたね(笑)しかし憑依されて殺人犯させられて捕まる人は可哀想だったな…マイアンナ・バーリングは本人に記憶ないし姿見られてないから捕まらなかったのかな。
後半、主人公が憑依されてからの展開は事態が悪い方に転がっていく中主人公が奮闘しようとしてサスペンス味感じられて中々面白かったですね。
救いのないラストもまあ、この主人公達じゃそうなるよな…って感じでそこまでバッドには感じなかったかな。もっと後味の悪いラストにしても良かったかも。しかしケニスはあのまま憑依して生きるのか。そしてあの人が助かったのはちょっと意外でした。
主演のアリエル・ケベルやサラ・カーターなど女優陣は綺麗所揃ってましたね。でもセクシーシーンはなかったな。
お話がぼんやりしてて今一つ印象に残るものはないけど、B級ホラーファンなら暇潰しにはなるんじゃないでしょうか。