じょせ

怪談累が渕(かさねがふち)のじょせのレビュー・感想・評価

4.0
これは傑作。
開巻間も無く御家人に金貸しの按摩が無惨に切り捨てられるスピード感にグッと引き込まれて、理不尽な因縁に縛られる男女の悲恋も巧い。怪談時代劇としては珍しく、色男が一貫して筋の通った善良な人物なのが嫉妬に狂う女の自分でもどうにもできない心理を引き立てていると思う。

恐怖演出も特撮でスーッと出てくる部分もあるが、カメラワークを駆使していつのまにか現れているという描写が良い。パンした元の位置にカメラが戻ってくるとヌッ!というのは「くるぞくるぞ!」感も含めてたまらない。
行燈にうつる影絵を使った部分も巧い。

それにしても、自分を殺した男の息子とそれと知らずに恋に落ちたからといって娘に取り憑いて死に至らしめる父親、毒親霊すぎないか?
じょせ

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