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悪の神々のtntnのレビュー・感想・評価

悪の神々(1970年製作の映画)
4.1
ファスビンダーの白黒時代では一番面白いと思う。
様式的演出がほぐれてカメラワークや照明に意匠が凝らされているが、カラー時代のキャンプな要素はまだそこまで展開されていない。
オープニングクレジットとか普通に格好いいし、斬新。(あの文字の処理の仕方は、初めて見た。)
でも、ファスビンダーらしい主題も勿論沢山展開されている。
やはり視線の演出は面白い。ラストの銃撃戦は、事前に襲撃する側と、追う側を交互に見せてサスペンスを高めながら、銃が撃たれるその直前で急に編集が混乱する。誰が誰を見た(撃った)という肝要な点が曖昧になり、すんでのところで物語への同一化が回避される。
撃たれたという事後的な要素だけが描かれるというか。ここは、やっぱファスビンダー見てるなと感じた。
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