唯

イズント・シー・グレートの唯のレビュー・感想・評価

イズント・シー・グレート(2000年製作の映画)
3.7
夫が自分の一番のファンって最高じゃない?
仕事上でもパートナーだからというのもあるけど、彼女の才能を誰よりも信じて高めようと動いてくれるし、どんなに感情をぶつけられても優しく受け止めて励まし鼓舞してくれる。

ジャッキーはエネルギッシュ過ぎて好き嫌いが分かれそうだけど、その分人を動かすとか巻き込む才能に長けてそう。
圧で押し切るというか不安をかき消す様に無理にでも自分最高!世界一ラッキー!と言ってみるの大事!
この夫婦は似た者同士でリズム感や波長がぴったり合ってる感じだし。

普段は心の奥に隠しているけども、欲望として誰もが持っている部分にアプローチする様な作品はウケるよね。

ジャッキーとアーヴィングの物語だけれど、彼らの内面を掘り下げない。説明すべきことも削ぎ落しているので、彼女が有名になることに固執した理由だとか生い立ちだとか気になってしまう。
説明的では全くなく、だけれど一瞬の表情で全てを物語るというか想像させるネイサンレインもベッドミドラーがさすが。

有限だと儚いと知っているからこその全力で生き抜く精神性は尊敬する。スターの孤独や有名になることで強いられる破滅的人生を物語上では描きながらも、ジャッキー自身は有名であることスターであることを謙虚に味わいながら楽しんでいた。それは多くのスターが得られない、本当の自分を誰もが見てくれない、たった一人から一番に愛されないという点と無縁だったからだろうなあ。

「秘密を知ってる人が必要なの。私のすっぴんを知っている人や息子の本当の病気を知っている人が」アーヴィングの愛は大きい。二人の部屋に架けられている「Oh darling,we are number one!/I always knew it baby」のポスターが最高。このマインド大切。「最初から私を有名人扱いしてくれた」それってスター扱いしてくれたお姫様扱いしてくれたってことだよね?どんだけ良い男なんだ、、。なのに彼女が自立した途端自分なんてもう不要な存在といじけちゃうのも可愛い。

まずはファンの心を掴むために足でなんぼのセールスを続けるのも今の時代でも大事だろうね。
成長した我が子の姿を見て「映画スターよ」と話す夫婦の場面もまた素敵。捉え方世界の見え方が二人でいると最高に明るく照らし出されるのだろうなあ。

サラジェシカパーカーどこにいたんだ??
唯