Yurari

ベンジャミン・バトン 数奇な人生のYurariのレビュー・感想・評価

4.2
愛する人と共に年老いていける幸せ。
今に感謝しないといけないな、と素直に思える、とても良い作品だった。
エンドロールでデヴィッド・フィンチャー監督の作品と知り驚いた。




==以下、ネタバレ含みます==

生まれた時は老人(と言っても体は赤ちゃんなので、シワシワな状態)、年を重ねるごとに若返る主人公のベンジャミン。母親は出産のため亡くなり、父親はベンジャミンを老人ホームの前に捨てて立ち去る。

ベンジャミンを見つけたホームの経営者クイニーは子供をなかなか授からないこともあり、ベンジャミンと出会った事を奇跡だと捉え、愛情深く育てる。
「いつまで生きられる?」と問うベンジャミンに、クイニーは
「今生きている事に感謝しなさい」と言う。

周りの人が亡くなり、新しい人が訪れては、古くからいた人が去る・・。そんな中、ベンジャミンはどんどんと若返っていく。船乗りとして仕事を始め、酒と女性を知り、正体を隠した父親と飲み、人妻と恋をして、と、少しずつ世界を知っていく。

ベンジャミンが出会う人達の人生の一部も描かれ、生きるとは物語を紡ぐことだよなぁと愛しく思える。

ファンタジーな設定だが、役者陣の演技が良く、まるで現実のようにすんなりと鑑賞できた。ブラピのイケメン具合もさることながら、ケイトブランシェットの美しさよ・・。所作がとにかく美しく見惚れてしまう。

年老いたデイジーの、「時がこぼれて、なくなっていく」という言葉も印象的だった。老いるって、そういう事なんだろうなぁ・・。
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