まつむらはるか

ベンジャミン・バトン 数奇な人生のまつむらはるかのレビュー・感想・評価

3.5
『数奇な人生』には間違いないが、ベンジャミンバトンという一人の人間の一生を誠実に描いていて、若返っていくという特異性のほかはいわゆる『事実に基づく実話』かと思ってしまうような自然さがある。
だんだんと若返っていく様は面影をたどっていくようで、メイクの違和感がなく驚いた。

彼は悩みもするけれど、子供のころから「これが僕なんだ」と割と早い段階で気づいている。

意外にもその自然さに驚いていたのだが、年を重ねていくごとに逆に彼の十字架がじわりじわりとのしかかってくること、つまり不自由な老人の体で子供時代を過ごすことよりも、年を取っていったときのほうが周りとのギャップに傷ついていたのが印象的だった。