あてゃん

ベンジャミン・バトン 数奇な人生のあてゃんのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

号泣しました。雷に撃たれたときの再現シーンには度々笑いましたけど(笑)

ベンジャミンは本当に人との出会いに恵まれていた人生を歩んだんだなと感じました。きっと日記に書いていないだけで、嫌だったこと、意地悪な人、傷つけられたこと、たくさんあったと思います。だけどそれらを上回る素晴らしい人生だったんだと思います。わたしたち"普通の"人でさえ、一生にひとり、出会えるかすらも怪しい、自分のことを理解してくれる人や、無条件に受け入れてくれる人に出会え、愛し合えたのですから。

ただ、その愛する人や、愛しい我が子との"普通の"生活ができないこと。共に年を取り、成長を見守っていけないこと。その悔しさ、苦しさ、辛さ、愛しているが故に迷惑はかけられないという葛藤、それを痛いほどに感じました。人生経験という尺度で見れば、概ね"普通の"生活はできていたと思います。働いたり、上司と夜のお店で遊んだり、お酒を飲んだり、恋をしたり。だけどやっぱり生まれもった定めのせいで、全て"普通"にはできず、苦渋の決断をしなければならなかったベンジャミンの気持ちを考えると、また、もし自分が、と想像すると、涙が止まりませんでした。
ですが、そんなベンジャミンが、最期には、育ててもらった思い出のhomeで、愛する人の腕の中で、愛する人に看取ってもらえたことがとてもとても嬉しかったです。本当に良かった……。

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ここからは、水を差すような感想を少し。ベンジャミンの生物学的な父、ベンジャミンを捨てた張本人。確かに醜い姿で産まれたベンジャミンのせいで、愛する奥さんが亡くなったと考えるとあのような行動に走るのも無理はないかもしれません。だけど、そんな奥さんが命懸けで産み、死ぬ間際に託されたのに。きっと冷静になって後悔したと思います。そんなときにベンジャミンを見つけ、安堵と罪悪感に苛まれたんじゃないのかな。でも、(だから?)話しかけずには居られなかった。最後には罪滅ぼしのつもりか、遺産をベンジャミンに渡しますが、それまでにもやってなかったのか、少し疑問に思いました。継続的に寄付ぐらいしてても良いだろうにと(笑) まぁ、最期だけでも父親らしく何かしたい、ベンジャミンのためだけでなく、自分のためにも、かっこつけたかったのかもしれませんね。

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