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殺し屋たちの挽歌のTLsのレビュー・感想・評価

殺し屋たちの挽歌(1984年製作の映画)
4.5
組織を裏切った男と殺し屋たちのロードムービー。物語でカットする所としない所が絶妙なところがスティーブン・フリアーズが名監督と言われている理由だと思う。ストーリー上で描く必要がない部分は映画から省略し、絵作りに必要なカットは一切省略しない。この感覚と戦略がこの作品にただの犯罪ロードムービーとして終わらせない魅力を与えている。

組織を裏切った男が悟りを開いたように振る舞うが唐突に訪れる死にビビるところに人間が持つ死に対する恐れを上手く描けていると思う。予定された死と唐突な死、どちらが怖いかは人によるが少なくとも彼はパリまで生きることを約束されていたため、ある程度予定された死に対して余裕があったと思う。私が全く手応えとない試験に対して、ひょっとして良い点数が取れているのではないかと考えるのとさほど変わらないと思う。人間が全員そうではないが、来るべき結果に目を背け、カッコつける滑稽な人間をこの作品はよく描けていたと思う。

ジョン・ハート演じる殺し屋が着ていたスーツがかっこよく、最近社会人になった自分はこのスーツを着ていこうかと考えた。  仕事を覚えてからにしようかな。
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