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カニング・キラー 殺戮の沼のYSKのレビュー・感想・評価

3.2
アフリカの奥地へ出没した巨大人食いワニを生け捕りおよびその過程を取材するためにアフリカの奥地へ向かうこととなった主人公一行、しかしそこはワニの脅威のみならず民族間で激しく内戦している危険地帯だったというお話

話の軸がぶれているとまでは申しませんが、巨大人食いワニこと「グスタヴ」の出番はかなり少なく、現地のカメラマンがうっかり民族間の処刑現場を目撃&撮影してしまったことからターゲットにされるお話が主役となってしまっています
「アフリカで黒人が死んでもニュースにもならない」なんていうセリフがあるくらい社会派で、内戦の激しさを捕らえているのは間違いないのですが、いかんせんアメリカからお上りさん気分でやってきた白人たちに緊張感がないし、緊張感という言葉も知らないのでしょう
先の処刑現場を撮影した現地カメラマンがキャンプ場に帰ってくれば「どうして止めないの」なんてことが言えるのは現実を知らないか現実を見ていないか頭の中にお花畑が咲き誇っているかのどれかひとつ、もしくは全部であることは間違いありません
むしろそんなアホを木っ端みじんにかみ砕き留飲を下げることこそが「グスタヴ」の本懐という気もいたしますがそこまでのサービス精神がなかったようで非常に残念

とはいえ目を見張るほどの巨体でかつジープ程度の車では歯が立たぬほどの強靭さや少しばかりの速足では追いつかれてしまう俊敏さはよく描けていましたし、ワニ映画としては決して悪くない活躍なのですが…やっぱりアホを食ってくれないことには大活躍&大満足とまではいきませんね
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