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女めくら物語のchiyoのレビュー・感想・評価

女めくら物語(1965年製作の映画)
3.0
2020/7/12
若尾文子演じる鶴子が、とにかく不憫でならない。宇津井健演じる木越は連絡するする詐欺みたいなものだし、山下洵一郎演じる謙吉はギラギラした感じでちょっと苦手。鶴子は人一倍、他者の心の機微に敏感なのに、恋をするとそれも鈍ってしまうのか。そんな中でコミカルに描かれるのが、渚まゆみ演じる糸子と中村鴈治郎演じる師匠のあれこれ。特に前者は、飄々とした小悪魔っぷりが可愛らしい。ラストでは、また鶴子が騙されるのでは?と心配したけれど、彼女の意に沿わなくて本当に良かったと思う。何はともあれ、鶴子の心情を吐露するナレーション、若尾文子の声に聞き惚れるばかり。また、謙吉の強引さに辟易とするものの、帯くるくるが見られるのもポイント。あと、どしゃぶりの雨とワイパーも印象的。
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