Jeffrey

女めくら物語のJeffreyのレビュー・感想・評価

女めくら物語(1965年製作の映画)
3.5
「女めくら物語」

冒頭、落ち葉落ちる野趣の中。一人のめくら女がいる。石段に躓き、助けられる。霜焼け、手の食感、お客の男、雨とワイパー、悲しみと絶望、マッサージ病院、修行、治療。今、鶴子の想いが描かれる…本作は梶尾綾子が盲目の女性を演じる異色の文芸映画にして、 舟橋聖一の原作"女めくら双紙"を相良準三が脚色し、島耕二が監督した文芸作品で、この度はDVD化され初鑑賞したが面白い。

さて、物語は十六歳の時、鶴子はふとした病気から突然目が見えなくなり、視力を失ってしまう。一時は悲しみと絶望に追い込まれるが、思い直してマッサージ病院へ住み込み修行をした。やがてなじみ客も出てきて、忙しい毎日を生活する。そんなある夜、彼女は治療に出かける途中石段につまずいた。その時、後ろから声をかけ抱きしめてくれた男がいる。彼女はその手の感触を忘れられなかったのである。

ロケーションが抜群に素晴らしい。四谷の街並みってこんなに素晴らしいのかと思わされる。切ない話好きにはお勧めできる。車の中での雨とワイパーのシークエンスだけでも見る価値あり!
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