あしからず

花咲く港のあしからずのレビュー・感想・評価

花咲く港(1943年製作の映画)
3.7
ペテン師2人の人情珍騒動。戦中の作品ながら太平洋戦争の始まりも描いている。木下恵介のデビュー作で、山中貞雄賞を『姿三四郎』と分け合う形で受賞。失礼ながら黒澤明とライバルだったの最近学んだ。
詐欺を企むも島民の純粋さに罪悪感に苛まされる人間くさい2人の撮り方はある意味ドストレートながら暖かい。ロケ地は天草と浜松で自然の開放感に溢れてた。木や水のショット、砂場(プチ砂漠?)を転がって滑るショットの良さ。ハッとする構図がちょこちょこあって、相変わらず群衆が走るシーンの撮り方が天才的。奥から手前にみせる空間の使い方が◎
雨の中洗濯物取り込んでついでにサッと竿を拭く演技のリアリティに地味に感動。

プロパガンダの要素はあるが(監督の意図かは謎)この後「陸軍」を撮るかと思うと。
海岸線写生禁止は片隅〜でも描写されてたなあ。
あしからず

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