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八甲田山のenokiのネタバレレビュー・内容・結末

八甲田山(1977年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

自然に対する人間の無力さや生命の儚さを感じる映画だった
周到な準備の上少数で挑んで、順調に歩みを進める三十一連隊
対して、大人数で甘く見てかかって雪山を彷徨うことになる五連隊
この比較がそれぞれを際立て合っていて、三十一連隊がより優秀に、五連隊がより悲惨に見える
オカルト的な演出にはやや時代を感じたものの、すれ違うという約束を叶えられず遺体となった相手を見たときの虚しさは、胸に来るものがあった
徳島大尉、神田大尉はもちろんだが、倉田大尉もかっこよかった
映像もこの時代に撮るにはかなりの苦労があっただろうと思わされる見事なものでリアリティがあった
史実を見ると、そもそもこの2つの隊はお互い干渉しておらず約束も競ってもいないなど、物語として脚色された部分が多そうだが、事件とその凄惨さを知り学ぶきっかけとしてはとても良い作品だった
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