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八甲田山のdaisukeのレビュー・感想・評価

八甲田山(1977年製作の映画)
4.0
1901年、来たる日露戦争に備えて寒冷地対策が急務と判断した日本軍は、八甲田山での雪中行軍を提案する。1902年1月、弘前歩兵第31連隊、青森歩兵第5連隊が互いにすれ違う形での雪中行軍を開始する...

無能な上司の鶴の一声で、雪中行軍を強行。面子を保ちたいがために、必要以上の人員を動員し、些末な準備、案内人の動向も拒否。その結果、多数の死者を出し雪中行軍は失敗。

これこそデスマーチ。見積もりの甘さがプロジェクトを破壊する様は、現代の仕事にも通ずる。

作中の音楽は極寒の八甲田山と上手くマッチしているし、何より雪中行軍がリアル。行くも地獄戻るも地獄の状況下、断末魔の叫びや発狂はホラーそのもの。

風雪の環境音で声が聞き取りにくい場面もご愛嬌。完成度の高い素晴らしい山映画です。
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