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八甲田山のマッサージ屋のレビュー・感想・評価

八甲田山(1977年製作の映画)
5.0
明治34年。日露戦争が避けられない状況の中、第四旅団指令部会議で弘前第三十一連隊の徳島大尉(高倉健)と青森第五連隊の神田大尉(北大路欣也)は上層部から寒地訓練の打診を受けた。
双方がそれぞれ弘前と青森から出発し八甲田山ですれ違うというもの。
明治35年1月末に決行されるも、八甲田山は猛吹雪の大荒れの天気だった・・・。

劇場公開時に親に連れて行ってもらって見てるんですよねぇ。
幼稚園児だった私をなんで親はこの映画に連れて行ったのかは謎なんですが(笑)
ストーリー自体は当然分かるはずもなく、その後何回も地上波なりDVDで鑑賞して把握した次第。
でも頭が狂って雪の中を裸で走るシーンと立ったまま凍って仮死状態の兵士のシーンは強烈に記憶に残りました。

『ドキュメンタリー 八甲田山』を見て久しぶりに今作を見ましたが、やはりこの雪中での撮影は凄まじい!
撮影が木村大作という事でやはり山を撮らせたらピカイチというのもありますが、八甲田山の猛威も含めて美しいし恐怖を感じる。

あくまでも新田次郎の原作ありきでストーリー仕立てなのでフィクションもあるでしょうが、第五連隊と第三十一連隊の対比がポイント。
冬山を熟知しているか、プライドの塊のような上官が邪魔したりとか見ていて歯痒くなる。
でも検索してたら、高倉健演じる第三十一連隊の大尉も決して善人ではなかったようですね。
案内人に酷い仕打ちをしたらしい。
ま、コレはあくまでも映画なんでそんな面はほとんど見せませんがね。
唯一ラスト付近に案内人達に口裏合わせのようなシーンはございますけど。

でも私にとっては何十年経っても忘れられない名作のひとつです。