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ケース39のkuuのレビュー・感想・評価

ケース39(2009年製作の映画)
3.6
『ケース39』
原題 Case 39
製作年 2009年。上映時間 109分。
レネー・ゼルウィガー主演のミステリー・ホラー。
共演にイアン・マクシェーン、ブラッドリー・クーパー。
監督はクリスチャン・アルバート
ジョデル・フェルランド演じるリリス・サリバン役には、当初、クロエ・グレース・モレッツとイザベル・ファーマンが候補に挙がっていたそうです。
偶然にも、今作品はモレッツが出演した『モールス』(2010)と同じ週に全米で公開された。

因みに、少女の名前の"Lilith "は、古代近東の神話に登場する悪魔的存在(この場合はサキュバス)の名前と同じ。
今作品では、ネガティブな感情や他人の苦しみを糧にしているため、今作品のキャラの説明にぴったりかな。

今作品は2006年に撮影が開始され、2008年までに公開される予定だったそうです。
火災のため、この期限は守られず、延び延びになってしまった。
意外なことに、この映画は典型的なホラー映画と想像してたけど、似ても似つかないものに仕上がりました(良い意味で)。
予想通りではなく、『ラストサマー』(1997年)や 『スクリーム』(1996年)みたいな映画と比べると、ゴアやバイオレンスがあまり使われていないの。
その代わりに監督のクリスチャン・アルバートは、登場人物の最悪の恐怖や悪夢を逆手に取って恐怖を煽る方法をとっています。
そうすっことで、視聴者はその恐怖に共感し、ホラー映画をより恐ろしいものにすることが可能ななってます。
この物語の性質上、ジャンルはホラー/スリラー映画と定義されるのかな。
作中でエミリー・ジェンキンス(レニー・ゼルウィガー)は、幼い頃に両親を亡くしたチャイルド・ソーシャルワーカーの役を演じています。
彼女は、児童虐待やネグレクトなどの事件を数多く経験し、10歳のリリス・サリバン(ジョデル・フェルランド)という特殊なケースに関わることになる。
彼女は、マイク・バロン刑事(イアン・マクシェーン、最近、『ジョン・ウィック』だけではなく、アメリカドラマ『アメリカンゴッズ』とかしばしば目にしますが変わりない)の助けを借りて、両親から虐待を受けていたこの無垢な少女を救い出す。
エミリーはその後、この少女を自分の養女として迎え入れ、個人的に関わることになる。
その途端、リリスはもはや普通の10歳の少女ではなくなってしまう。
彼女の賢さと機知は、普通の子供のそれを凌駕し始める。
今作品の最大の問題点は、リリスを引き取るというエミリーの決断は、ソーシャルワーカーとして信じられないようなものやったことです。
彼女は、自分の仕事を効果的に行うために、クライアントとある程度の感情的な距離を保たなければならないはず。
確かに彼女はケースから外されましたが、それでもこれは無理があると思いました。
とは云え、それは今作品の数少ない弱点の一つで、物語はかなりうまく構築されていました。
本質的に児童虐待のドラマから始まり、かなりの量のショックが組み込まれた非常に効果的で時に怖い超自然現象スリラーとして終わっている。
また、非常に不安なシーンもあり(スズメバチのシーンが思い浮かぶ)、どの演技もしっかりしていました。
こないな『悪魔の子』ダミアン的な映画は個人的に好きなのもあるし、十分たのしめました。
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