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レニングラード 900日の大包囲戦のmhのレビュー・感想・評価

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レニングラード包囲戦が題材のエンタメ映画。
序盤はぐちゃぐちゃ。
義勇軍を率いた女性警官が主人公。塹壕戦に飛び込んでおじけづく義勇兵に向かって発砲している。武器は死体から調達しろとかめちゃくちゃ言ってる。でも戦闘には参加できないとか、立ち位置がわからん。
もうひとりの主人公はイギリスの女性記者。ジャーナリストグループはレニングラードを取材するためVIP扱いを受けている。ソ連側が食糧事情がいいと装ってたのはどういうロジックなんだろう。捕虜収容所みたいなところだったら待遇偽装もわかるんだけど。もしかすると、ホロモドールでもやってた地上の楽園アピールってことかな?
イギリスの記者がモスクワ行きの飛行機に乗り遅れたあたりから、話がシンプルになってきて面白くなってくる。
女性記者を死亡したと報告したあと→生きてるとまずいことになるため、命を狙われることになる。
それだけでも十分なフックなのに、さらにスパイ疑惑がかかり、さらにさらに、女性記者は実は、ロシア白軍の将軍の孫娘だと判明する。
むりくり押し込んだガールズトーク、パジャマパーティーのくだりよかった。なごんだシーンだけど、すでに深刻な食糧難ははじまっている。
「パールハーバー(2001)」でも見た、爆弾の羽根車プロットを採用してたたけど、「パールハーバー」でやってた間違いもそのままコピーしてしまってる。
極限の飢餓を描いた、終盤に差し掛かるあたりが、やっぱりいちばん見ごたえあった。
カニバリズムとか、動けるなら動いたほうがいいとか、幽鬼のごとく雪の中をさまよう市民とか。
ドイツ軍の包囲が900日に及んで百万人近くが餓死というすごい史実なんだけど、レニングラード包囲戦は資料が少ないとのこと。
飢餓描写は「レニングラード攻防戦」「レニングラード攻防戦2」でもあったけど、やはり気持ちのいいものではないね。
しり上がりによくなってきて締めくくりかたもよかった。
ふたりの女性は亡くなって、病弱だった弟だけが生き残ってた。
とっ散らかってるのは事実だけど、それを補って余りあるオリジナリティとパワーがある映画。
面白かった!
mh

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