Casablanca

血を吸うカメラのCasablancaのレビュー・感想・評価

血を吸うカメラ(1960年製作の映画)
3.8
馴染みの薄い英国映画であるのに加えて、公開時の悪評により長らくお蔵入りしていたので、今こうして日本でDVDにより観ることができるのは、奇跡に近いことかもしれない。

「赤い靴」や「黒水仙」のマイケル・パウエル監督作だけあって、かなりスパイスが効いていて、かつ丁寧な作りの映画になっていると思う。

映像機器越しの主人公の狂気の目が印象的で、カール・べームの端正な顔立ちと熟練を感じさせる演技が素晴らしい。モイラ・シアラーなどの美形には、冷酷に撮影の対象としてしか見えていないのに、どこにでもいる女の子風のアンナ・マッセイには感情移入してしまう主人公の女性を見る目も独特なのであろうか。