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血を吸うカメラのharuのレビュー・感想・評価

血を吸うカメラ(1960年製作の映画)
3.5
サイコパスの苦悩。

カメラマンのマークは、幼い頃の経験から人間の「恐怖」に興味津々。娼婦や女優を襲っては彼女たちの恐怖の表情をカメラに収め、毎晩一人上映会をするのが日課。ところが同じアパートに住むヘレンと仲良くなると、彼は自分の欲望を抑えようとするが…

元祖変態映画。
タイトルがアレですが、「赤い靴」のマイケル・パウエルによる至極真面目なサイコパスの話。恋をした連続殺人鬼が、好きな子を殺さないように頑張る姿が健気で今見てもおもしろい。ところが時代を先取りしすぎたマイケル・パウエルのキャリアは、本作で終了してしまったそうです…
マークが人を殺すようになってしまったのは、幼少期に心理学者であった父親から実験台にされていたことが影響している。「恐怖への反応」を研究していた父は、幼い息子を怖がらせては恐怖の表情をカメラに収めるという残酷な仕打ちをしていて、そんな環境で育った息子は、成長して連続殺人鬼となった。自分では抑えきれない衝動。しかしヘレンと恋に落ちた彼は、この衝動を克服しようとすごい頑張る!そこからのラストがすごく切ない。
サイコよりこっちの方が好きだけどなぁ。
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