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悪魔の虚像/ドッペルゲンガーのharuのレビュー・感想・評価

3.5
本当の自分。

常にスーツと帽子でキメるペルハムは、仕事でも家庭でも真面目なイギリス紳士。ある日交通事故で死にかけた彼は無事生還するも、その日から「記憶にない行動」に悩まされる。もしやドッペルゲンガー!?

3代目ジェームズ・ボンドことロジャー・ムーアが、ボンドになる前に「もう一人の自分」に脅かされる話。序盤は「一般企業にもボンドはいるんだぜ」とか、さりげなく次作の予告までしちゃうくらいの余裕がありましたが、終盤は追い詰められて汗ダラダラ。ペルハムはついに自分を見失ってしまう。
元ネタはヒッチコックで、まさにそんな感じです。ペルハムは社会的地位もあり、美しい妻と可愛い子供たちにも囲まれ、ザ幸せを謳歌中。ところがこれらを維持するのに、彼は大きなストレスを抱えていたのです。本当は仕事終わったら遊びたいし、浮気したいし、車飛ばしたい。その欲望を自らコントロールできなくなったとき、世にも奇妙な物語が始まります。
外面パーフェクトなペルハムだって、追い詰められればボロボロになるんですが、そんな彼の弱さを周りは認めてくれない。だって彼はいつも冷静でどんなことにも動じないから。せっかく本当の自分を解放しようとしたのに、周りが受け入れてくれないなんて悲しすぎる…!
ところで妻が着ていたディナーのドレスが素敵すぎました。
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