井出

黒い十人の女の井出のネタバレレビュー・内容・結末

黒い十人の女(1961年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

これを見た当時の人は、どう思っていたのだろう?この男は浮気性でしょうもない男だ、この女たちは身勝手で情けない奴らだ。もしくは、個人主義で今までの男女関係や家が崩壊してしまったと嘆いていたのか。とにかく人によって評価が分かれそうな、面白い映画だった。監督はどう思ってたんだろう、それが釈然としないのはそのせいか、。時代の違いか。
監督はメッセージというより、観客を、シリアスで、悲劇的でいて喜劇的、想いが駆け巡る、乱痴気騒ぎな物語で、楽しませよう。そういう意図で作ったのではないか。
女たちは見苦しいくらいに、見てておかしくなるくらいに、一人の男を求めて争う。そして、みな目線が違うほうを向いているようで、みなこの男から目が離せない。一列になって、男の方に向かっていく黒い影。しかしこの男は、誰も見ていない。ご飯を食べるように、忙しくいろんな仕事に手をつけるように、女に手をつけていく。この、脚本や絵の構図は素晴らしい。取っ組み合いとか、岸田今日子の「OBかい」とか、とにかく笑ったわ。これもひとえに役者のおかげなのかな。
最後はどうなったのだろう。あの事故車とか…わからん
井出

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