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裸体の一のレビュー・感想・評価

裸体(1962年製作の映画)
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傑作。いわゆる“堕ちる女”モノなのだが、主演の瑳峨三智子がそうであるのと同様にいかがわしさや痛切をほとんど感じさせない軽やかさが不思議。“芸術的肉体”を武器に飄々とサバイブしてきたはずなのに、いつのまに流れる黒い涙。オープニングと呼応する素晴らしいエンディング。屋内や暗闇でのケレンある撮影、彼女が通り過ぎる川津祐介・千秋実・進藤英太郎・佐々木功からワンシーンの端役までアクセントの効いた配役、どれも楽しい(山田五十鈴との親子共演まで!)。浪花千栄子のセミヌードにはやはり目を凝らしたが、ざっくり背中を露出した浦辺粂子のバックショットも忘れがたい。それから立ちんぼやってる年増の売春婦ふたりも実にイイ。片方はどっかで顔見たんだけどなー。
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