荒野のジャバザハット

マルサの女の荒野のジャバザハットのレビュー・感想・評価

マルサの女(1987年製作の映画)
3.8
いやあ、やっぱ面白い。
地方の税務官から国税局査察官へ登り詰め巨額な脱税を繰り返す権藤とやり合う事となる亮子のサクセスストーリーとして面白いが今作は何より山崎努演じる権藤が素晴らし過ぎる。
片足を引きずりながら歩く様の不気味でクールな容姿、あのダンスシーンはもう100点でしょ。そしてラストの勝ちを悟った際にグラスを片手に語る大演説。上からポタポタと垂れる金の雫が溢れた時、舐める。この汚く素早く舐める様がキャラクターを強烈に体現していて痺れる演技力。

あるはずのない10万円を持った息子とのやり取りは管理する側される側というはたから見れば理不尽な関係性であり税務官を絶対的正義として描いていない所もまた魅力的で上手いなあと。

メインのやり取り以外の脱税小話もたんぽぽ同様印象的で見応えがあった。