社会や政治に対する不満、鬱屈した青春、様々なやりきれない思い。
ピストルズの音楽ってそんな色んなものを叩きつける音楽だと思うじゃない?
実はなんのことはない普通の明るい曲調だし覚えやすくて親しみやすいのよね。
イメージは悪いかもしれんけど聴いてみるて意外といい感じ。
じゃあイメージの悪さの原因ってなに?ってことだけど。
それはセックスピストルズのベーシスト。
シド、コイツしかありえない(笑)。
常時ラリって、意識混濁しながらのインタビュー。
路上では目と目があえばナイフで襲いかかりライブではベースで客をフルスイングする狂犬。
心の痛みや恐怖を自ら切り刻む事で乗り越えようとする自傷癖。
でもボーカルのジョニーには頭が上がらないお茶目さん。
恋人でもあり飼い主でもあるナンシーをホテルで八つ裂きにした顛末など実に映画的。
こんなやつが上手く世渡りできるはずもなく、
本人も持ち上げられすぎた状況に不安と恐れをいつも抱いていたようだ。
若さゆえの暴走は歯止めをしらず、イクトコまでいって燃え尽きてアボーン!
勢いってのはスゲーもんだ。
シド・ビシャス。
こんなパンクスでも名を残し
「ボディーズ」
という唯一無二な名曲を遺した。
幸運という大嵐に溺れてしまい足元すくわれた、とある若者の一代顛末記。