でしょうかな

テッド・バンディ 全米史上最高の殺人者のでしょうかなのレビュー・感想・評価

3.3
ロースクールに通う青年テッドは、シングルマザーのリーと交際していたが、なかなか結婚に踏み切れず、二人の仲はギクシャク。しかしその裏で、テッドはおぞましい犯行を繰り返していた。

明らかに2019年の『テッド・バンディ』と混同しているレビューが多いが、本作は2002年の作品であり、こっちはかなり殺人の描写が多く、そして法廷の場面はほぼ無い。
言わずと知れたテッド・バンディを題材にした低予算映画。2000年代にはこの手のアメリカ実録犯罪低予算映画が多く、その例に漏れず、本作も事件や出来事を忠実に描いているとは言い難い。冒頭からしてコメディチックだし、比較的軽いノリの作品なので、かなり悪趣味なのは確か。
ただ、バンディの人物像には多少見るものもある。彼をモチーフにしたキャラは、多くの場合、ニヒルで狡猾な「悪の天才」的イメージを持たされやすいように思う(2019年版も少なからずそういう側面があった)が、本作では(どの程度意識的に演出しているか不明だが)バンディを徹底して哀れな小者として描いている。ナルシストでありながら、自分が取るに足らない存在であるというコンプレックスが心の底にあるのが分かる。もっともそのために犠牲者も貶められている面もあるので、そこをより上手く処理できていればより良い作品になっただろう。
でしょうかな

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