もとまち

妖刀・斬首剣のもとまちのレビュー・感想・評価

妖刀・斬首剣(1985年製作の映画)
4.3
すげえ!!! 80年代香港映画界が産み落した驚異の武侠アクション。変幻自在のワイヤーワークとクレイジーな編集が、ハッタリかましまくりのハチャメチャな剣戟を次々と繰り出す。人が、籠が、軽々と宙を舞い、空を駆けていく。たぶん全キャラ舞空術習得済み。最強忍者軍団のダイナミック忍術も死ぬほど面白い。煙玉!巨大凧!土遁の術!変わり身の術! 山田風太郎作品のような奇想天外荒唐無稽デタラメの嵐。「生死決!」のタイトル通り、ラストは少林寺の剣聖vs.柳生新陰流の剣豪の壮絶な一騎打ちへ。荒々しい波が打ち付ける断崖絶壁の上で、神速の空中ソードアクションが展開する。己の信じる武士道を貫き通す剣豪と、決闘に意味を見出せず虚無感に包まれる剣聖。火花散らす血みどろの決闘の果てに、決着がついた次の瞬間にはエンドロールが流れてる。完璧。映画における漫画的表現の一つの極地なのでは。
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