マ

さんかくのマのレビュー・感想・評価

さんかく(2010年製作の映画)
4.6
日本では 男性が パブリックな場所で性欲を開き散らかすコトに対し 誰もがどこか容認している、許しすぎている。ずっと前からこの風潮は気持ち悪いと思ってるけど、今作は その日本人男性の軽すぎる性欲を利用する様な構成。

俳優に露出の高い服を着せ、わざわざ足や股を近くで撮り、観てる観客を(役者への搾取とも繋がり得るから かなり危ない方法で)主人公の地獄に引き込もうとする。たとえ本人への承認があったとしても ある意味では搾取になっていることを考えると決して手放しで褒められない けど超強烈。

日本人的な男性の性欲から始まる、日常を支えていたそれぞれのモラルの崩壊を コメディとして、というかホラーとして凄まじい展開で描き出す、ジャケットからは想像できない熱量と動き。吉田恵輔はまず第一に 映画作りや既存ジャンルのアレンジがめっちゃ上手い。

国内で男性的なコミュニティに依存したり、その価値観から距離を置いてこなかった人間にとっては主人公の地獄は他人事では無いと思う。「冗談」として自身をロリコンと称するその瞬間は、映画で観ればその違和感は浮き彫りになるけど、現実では、こういうコミュニケーションを行い なんなら当たり前のように自分がペドフィリアであることを隠さない(ソレがウケると思ってる)男性なんて無限にいる。このレビュー欄にもいる。
ラストの主人公に対する目線は「空白」の様に、厳しいけど優しい、まさに吉田恵輔的な 人間の汚さへの複雑な感情。

兎に角 家の外で過剰に性欲を露呈するのは辞めて欲しい。つまんないしキモイから。
マ