牛丼狂

さんかくの牛丼狂のレビュー・感想・評価

さんかく(2010年製作の映画)
4.0
2010年に公開された邦画。
私は二年ぶりに再見した。

この映画はラブストーリーというジャンルに入るのだろう。
しかし実際はヒューマン要素が強く、人間の感情がぐちゃぐちゃしており、怖さがある。
シーンを一つ一つ観ると独特な雰囲気がし、見終わったあとに全体の構成を考えると、気味が悪くて仕方ない。

物語は全体的にのんびりと展開されているように思える。
また、登場人物が少ないので一人一人の人物像が理解し易い。
ストーリーを文字で記す分には単純なのだが、感情をおもむろに表す演出が多く、会話がないところでの感情の表現が独特。
一つ一つの仕草が感情を忠実に表しており、とにかく演出が素晴らしい。
彼女の演技があまり巧いとは思わないのだが、それさえを逆手にとっている演出には圧巻だ。

始めの10分でこの作品に引き込まれる。
設定をさっさと説明している。
そして中盤になるにつれて徐々に平穏な日々が破壊されていく。
この作品の一番の見所であるラストは、私は今まで観てきたすべての映画の中でもっとも好きなシーンだ。

前述した通り、なんといっても全体の構成が素晴らしい。

この作品はストーカーをする者、される者に忠実に焦点を合わしており、どちらからの視点でも楽しむことができる。
この映画を見終わったあとには、全体を見直してみてほしい。
映画を観ている最中に映画の全体像を整理するのも良いだろう。

あまりネタバレはしたくないので詳しいシーンについてのレビューはカットする。
この作品は知識なしで観てほしい。
私のレビューは観賞するに当たって差し支えのない程度のレビューだから安心してほしい。

この作品は、日本映画のトップクラスの傑作だと思っている。
あまり有名でないのが惜しいところだ。
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