監督がジョセフ・ロージーで脚本がダルトン・トランボ、助監にロバート・アルドリッチという当時の米国に於ける「アカ狩り系作家」揃い踏みの一作。
終始ネチネチした警察官、ヴァン・ヘフリン(『シェーン』でお馴染み)がセレブの奥さん(イヴリン・キース)を無理やりぶんどってアメリカン・ドリームを掴もうとするが、殺人がバレて破滅するという暗い内容。これぞ典型的なフィルノワール。
前半のロージー調/後半のアルドリッチ調という些かバランスが悪く強引な印象もたしかにあるが、引き締まったカメラワークの的確さとヒネリの効いたストーリーテリングで一気見できる上質な出来栄えのサスペンス映画。
全体的に陰湿で人間のエゴや醜悪さを描いているダーティーな雰囲気が漂っておりさすがはロージー監督。反・ハリウッド的な作風がこの時点ですでに確立されてる。
正直、犠牲となるセレブの奥さんも嫌な女なのであまり感情移入できるキャラが少ないのが難点だ。😥