ルサチマ

強迫/ロープ殺人事件のルサチマのレビュー・感想・評価

強迫/ロープ殺人事件(1959年製作の映画)
4.3
これまた人物の造形が見事。優生思想の持ち主が起こした犯罪があっという間に警察にバレてとっ捕まえられるが、この若き2人の犯罪者を前に弁護士がいかに彼らの罪と罰を天秤にかけるかどうかでサスペンスを持続させていくのだから斜め上の作劇だとひとまず言える。しかし、当然法廷を舞台にした途端全ては停滞する。発話者は弁護人であり、揺さぶられる張本人の犯罪者2人は言葉を慎む。言葉は気持ちに追いつかない。この圧倒的不利な作劇を引き受けた演出家としてのフライシャーが試みた画面の展開の技術は如何なるものか。そんなことを考えてたらあっという間に幕切れになっていた。要再見。
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