誘拐された大統領の娘の救出作戦はあえなく失敗し、デレク・ルークら風貌と佇まいにプロフェッショナリズムを感じさせるヴァル・キルマー周辺の人物も呆気なく死ぬ。それらを心理に依らず、アクションで描くこの映画はやるせないラストをむかえる。
デレク・ルークが狙撃されるシーンの唐突さに驚いたのだが、よく見ると直前の画面に狙撃手のいるクルーザーが後方を横切っているのがわかる。狙撃手の顔は見えず、スコープを覗く緑色の眼だけを見せる演出も不気味で良かった。
フリードキンの『ハンテッド』に似た手触りの映画だったと思った。製作年や予算とかの関係から画面が似てくるというのもあるけど、異様な力学に支配された人物が中心にいるところが。