ちゃあさん

ミュンヘンのちゃあさんのネタバレレビュー・内容・結末

ミュンヘン(2005年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

見よう見ようと思っててずっと放置していたが、やっと見た。
結果、思ってたよりもドスンッと心に響く映画だった。

ミュンヘンオリンピックの際に起きたパレスチナの(黒い9月)によるイスラエル選手達への人質テロ事件。人質は全員死亡。。

物語はその後のテロに対するモサドの精鋭部隊による報復作戦を描く。
報復による報復でドンパチ、ドッカーン、ヒャッホーな展開かと予想していたけど(まぁある意味合ってるが)、全然違った。
よくあるスパイ映画のような華やかさは皆無。終始ず〜んと重くるしい空気で画面も暗め。
主人公の苦悩と葛藤を鮮烈に描く。エリック・バナ最高です。

いやはやスピルバーグ監督もすごいの撮ったね。
強烈なメッセージ映画だった。。
映画公開の時期もあり、ブッシュ政権への批判というか、報復に報復を重ねても意味ないよ。というスピルバーグの意思ですね。

とはいえエンタメ性も無くはない。その辺りのバランスがやはり流石です。

テクニック的に巧いなーと思うシーンも多々あった。
印象に残ったのは、ハニートラップに引っ掛かってしまった仲間を発見するシーン。
彼女の香水に気付き、仲間の部屋に入る所。
「この悪党め」と悪態をついて一旦画面から消えるが、再度引き返して仲間の部屋のドアに近寄るシーン。
おーっ巧いなーって思いました。

あとラストのワールド・トレードセンターをあえてアップにしない所。渋い。

ミュンヘンでの惨劇がいかにして行われたかが時々カットインされるが、ちょっとバラバラにしすぎな感じはあったかな。。

人体破壊描写を延々と映すのも生と死の儚さを感じるし、なにより人体破壊描写が監督がもっとも得意とするものである。というのも再認識。

ダニエル・クレイグが男前。不自然なくらいキラキラしているのはこの後すぐに007に出演するからかな?